中国雲南コーヒーの焙煎 -7月5日-
中国雲南省でコーヒーを栽培しているご友人から、2kgほど生豆を送ってもらったのだが焼いてもらえないか、というご依頼をいただきました。
ご依頼主は、岡崎で「ソウルカルビ」を経営する金さん。(向って右)
金さんは5カ国語を自在に操る、マルチリンガルな敏腕社長です。
中国雲南の豆と聞いて、以前から興味のあった私は、二つ返事でお引き受けしました。
持ってきていただき量ってみると、実際は1.65kgでした。
樹の香で使用している焙煎機は、直火式の5kg釜です。
商品として焙煎する最低量は2kgなので、1.65kgというとかなり少なめです。しかもニュークロップということで、水分が若干多め。少量焙煎では水分抜きが一番肝心で苦労するところです。
また、ハンドピックで選別してしまうと、さらに減ってしまうかもしれないと懸念しましたが、生豆を見せていただくと想像以上にきれいで、焙煎前の選別は不要、焙煎後に色の付かなかった豆だけ選別することになりました。
それにしても、1.65kgの少量焙煎。これまでに、くず豆を利用して1kgでの少量焙煎を数えきれないほど練習してきたので、うちの焙煎機でどのように焼けばよいかは大体想像できたのですが、何しろお客様の豆です。失敗は許されない一発勝負。いろいろと雑談しながら、頭の中では焙煎のシミュレーションをして思案を巡らせていました。
「よっしゃ」と覚悟を決め、「あとは神のみぞ知る」と、いよいよ焙煎機を点火しました。
弱火でじっくり水分を抜き、12分弱経ったところで豆の状態をテストスプーンで確認すると、理想の色合いに!水分抜きが上手くいったということです。ここまで上手くいけば、少量焙煎では9割がた成功です。
1回目のハゼが終わり、2回目のハゼに入るころでご希望の焙煎度合になり終了。豆も非常に大きく膨らみ、しわの伸びも色合いもよく仕上がりました。未成熟で色の付かなかった豆もほとんどなく、とても質の良い豆でした。
焙煎直後の香ばしいコーヒーを金さんと一緒に頂きました。焙煎直後なので、少々とげのある味でしたが、これは想定内、数日たてば必ず落ち着いてくるはずです。後日、結果を金さんに聞くとします。
少量でこれだけの旨味があるなら、普通に焼いたらもっと美味しいだろうと思います。
「美味しいね〜。天才だね。上手に焼いてくれてありがとう。」と心から喜んでくださいました。
短い時間でしたが、いろいろ興味深いお話を聴かせていただき、有意義な時間を過ごさせていただきました。
雲南コーヒーはもちろん、ジャコウネココーヒーも金さん経由で入手できるそうなので、興味本位ですが焼いてみたいなぁって思います。